八方塞がり日記 (50代OL 鬱治療中 それでも起業したい)

50代女性。大卒から今まで企業内デザイナーとして正社員で働き続けてきて、仕事がアイデンティティとなってしまいました。思えばずっと抑鬱状態でしたが、この度晴れて鬱病と診断されました。幼少期から結婚して家を出るまで母との関係で疲弊し、インナーチャイルドを抱えながら生きています。

右往左往する妹と冷めている私のギャップ

父は水分の点滴のみで、だんだんと脱水状態となり、そうなると眠る時間が増えて、最後は眠りながら亡くなる、という経過で、積極的な延命はしないことで家族の意見は一致していました。

 

ところが先週、母が急に、「周りの患者さんはみんな鼻に管が入っていて水分と栄養の点滴をしている、何もしてないのはウチだけ。やっぱり栄養を入れた方がいいのでは」と言い出しました。それに便乗して、妹が、「栄養をいれて今より元気になれば、飲み込めない理由をきちんと調べて、回復へに向かえるのでは」と言い出しました。

父はもうすでに飲み込むことができず、栄養も数日入れていないので、血管がボロボロになってしまい、水分の点滴ももう数日しか入れることができないかもしれない、といわれているにも関わらず、です。いまさら栄養をいれても、飲み込めない以上、ただただこの状態を伸ばすだけだと思うので、私は反対しました。

母に電話をし、私は栄養をいれてこの状態を長引かせるだけになるのであれば、それは反対であることを伝えると、「たしかにそうよね。みんなやってるからやった方がいいかと思ってしまって…」といいます。

妹に電話をすると、「栄養をいれることで、回復につながる可能性を諦めきれない」と言います。

「でも医者がもう老衰で回復は見込めないと言ってたじゃない」と言うと、妹は「私はそもそも医者を信じられないのよ」と。

病院側も「もし栄養を入れるなら、点滴のポートを入れる簡単な手術をすることになるが、その血管が見つけられるかどうかわからないし、もしやるならすぐにやらないともういつ急変してもおかしくない状況だから、早く決めてくれ」といっているそうです。

なんだかんだとやり取りして、結局は栄養を入れるのはやめることになりました。ポートを入れる手術をするなど無駄に痛い思いをさせるだけだと、妹も納得しました。

 

その数日後、今度は、「お父さんは治療を『もういい、やめたい』と訴えているから、もう点滴はやめる。」「もしくは、点滴は続けて家に連れて帰る。この2択しかない。」と言い出しました。

父が話す姿を動画に撮って私たちに送ってきます。何度見ても治療をやめたいとか家に帰りたいと言う言葉は私にはわかりませんでした。時々、妹が「大丈夫?」と聞いて父が「だいじょうぶ」と明確に答えているのはわかります。

こうなるともう止まりません。何がなんでも家に連れて帰ろうとします。

私は今日明日をもわからない状態の今、骨と皮に衰弱した今、自宅への移動は父に大きな負担を与えるとおもうので、絶対反対を唱えました。しかも家に帰るなら点滴は続けることになる、でも父は治療をやめたいと言ってるという矛盾。もうわけがわかりません。

とにかく妹は父のために自分をどこまでも犠牲にして全力を尽くしたい、そして同じように我々にも全力の犠牲を望んでいるかのようです。

 

何度も動画を送ってきて、「よく聞いて、治療をやめたいと言ってる」とか「よく見て、家に帰りたい?と聞いたら確実に頷いている」とか言うのですが、どんなに見てもそんな風には見えないのです。

それで、妹「私は家に帰らせたい」私「私は病院の方が安心だし今の状態で移動は危険だと思う」妹「じゃあ、もう点滴もやめてこのまま病院にいさせるのがいいってことね」私「そうだよ。その方が私は安心だよ」妹「でも帰りたいと聞いたら頷いた」…これの繰り返しのLINEの応酬が続きました。

母も「この状態では家ではとても私たちの手に負えない。病院で診てもらおう』と言い、2:1で妹は渋々自宅に帰らせるのを一旦諦めました。

 

そして、昨日、父が吐血しました。私はなぜかスマホ機内モードになっていてLINEが何時間もつながらない状態になっていて気付きませんでしたが、後で見ると妹から25件ほど入っています。機内モードを解除してみると、「電話して」「LINE見ろ」「なぜ出ない」と不在着信の連続でした。

慌てて電話をすると、どうやら2時間前に父が吐血したというのです。よく聞くと、先週の延命しようとしてやはり栄養を入れるのを踏みとどまった日、妹は水分の点滴をそれまでの倍に増やすよう頼んでいた、というのです。

それによって脱水状態が緩和したことで意識も比較的しっかりしていたというのです。妹は父の意識があることを喜んでいました。

しかし、長い間栄養を入れていないので、内臓がストレスを受け吐血したという経緯でした。

 

なぜ、素直に父の段々の死を受け入れないのか、私には全く理解できません。無駄な大騒ぎを繰り返しています。付き合いきれない、というのが本音ですが、突き放すわけにも行かず、その大騒ぎに巻き込まれています。

こんなことを繰り返し、わたしはますます父の死に対して淡々とした静かな気持ちでいて、普通に日常を過ごしています。このギャップが妹を逆に狂ったように熱くさせてしまっているのでしょうか。。