高校では、女友達とは楽しく過ごしましたが、男っ気ゼロで3年間過ごしました。モテる女子が心底羨ましく、でも真似することもできませんでした。モテることに対しては才能が完全に欠如してる,と思っていました。モテる前に普通に話せないのだから、土俵に上がる以前の問題でした。
ごく稀に全く異性を感じさせない男子がいて、その人とは女子と変わらない態度で接することができましたが、クラスに1人いるかいないかでした。
高校卒業後、中学の同窓会がありました。私は美大を現役合格できず浪人として美大予備校に通い始めていました。
同級生の大半はどこかの大学や短大に通っていました。
女子は化粧して、数人はタバコをふかしながらお酒を片手にワイワイ盛り上がっています。大人っぽく変わった自分達を演じ合うような場に、私は尻込みしました。
私は中学の頃の自分とほとんど中身が変わっていないことを知りました。
酔っ払いながら話しかけてくる男子をテンション高くあしらう昔の女友達を関心して眺めていました。
みんないつの間にこんな処世術を学んだのだろう…と不思議に思いつつ、自然に大人になれない自分をもどかしく思いました。
「本当全然変わらないね」と悪気なく言われて,かすかに傷つきました。
この同窓会の居心地の悪さは、その後大学に入っても社会に出た後も、義理で参加する飲み会で常に味わう居心地悪さの記念すべき最初の1回目でした。
結局社会は男と女が半々いて、どこかでは必ず男性と接することになり、ただ事務的に仕事の話をするだけではダメで、良い関係性を構築する必要がありました。男性とまともに話せないで社会に出るのは、かなり無理がありました。
そのハンデを,私は子供の頃の母からの育てられ方のせいにして、克服できずに今に至ります。
年とともに表面上は取り繕うことができるようにはなりましたが、根本は変わりません。
私には男友達がただの1人もいないのでした。