一回り年下の上司は、私から見て仕事において優秀な方だと思います。私より一回りも若いのに、作りの手法や素材の知識は私より多く持ってます。デザインの発想も幅広くて奥深くて斬新で自由です。
この経験値は、携わっている仕事の種類の多さやその仕事量の賜物なんでしょう。
自分に厳しく妥協を許さない人で、できればそれを部下にも求めたいようですが、部下はそれぞれ力量が違いますから、ある程度そこは仕方がないと諦めてはいるようです。
彼自身は自信満々で堂々として、それでいて横暴ではなく人当たりがよく、会社では頼れるカリスマとして確固たる地位を築いています。
ある意味、同じチームの私達に甘えのような気持ちがあったのでしょう。甘えというか雑になっちゃったというか、気配りが及ばなかったというか、気配りの必要性すら感じてなかったというか。私達直属の部下にはけっこう気分次第で冷たかったり怒ったり時には親身だったり、対応にかなりムラがありました。
話しやすい人と私のように話しにくい人との会話量の差もかなりありました。
でも、話しやすい人はその分怒られたりたしなめられたりする機会も多いらしく、それはそれで大変とのことでした。
LINEの連絡の仕方とか、メールの文章の書き方、プレゼンの時の話し方など、ダメ出しをよくされました。
いつどのタイミングでご連絡すればお気に召すのかちっとも分からず、気を使いました。
ある時は、違う部署の手伝いとしてのエキストラワークの件で、確認したいことがあった時、この件は本業ではないし彼は今ものすごく忙しそうだし、どうしよう…と連絡を先延ばしにして結果事後報告になってしまったことがあり、それが彼の逆鱗に触れ、電話で延々と文句を言われ続けたことがありました。
歯に衣着せぬ物言いをする時と、何を考えてるかよく分からない言い方をする時があり、毎回「今回のリアクションはどっちかな」と思いながら話していました。
嘘や建前は言わない。本音しか言わない。裏表はない、と本人は言うのですが、私にはそれは矛盾があると感じていて、対応に苦慮しました。
でも彼はあくまでも自然体でいただけで、要は天邪鬼で気分屋さんな人である、というだけのことで、私たちが対応に困っているとはつゆほども思っていなかったようです。というか、気にかけてもいなかったみたい。
そんな感じでしたが、私の鬱の告白により、非常に気遣ってくれるようになり、他のメンバーに対しても同じようにかなり穏やかに対応してくれるようになりました。
ミーティングが安心感のある雰囲気の中で進められるようになり、心理的安全性が感じられます。
彼なりに、部下に対しても少しは気遣いする必要性があると感じたようです。
そんなわけで、ミーティングに対しての緊張感が減りリラックスしてのぞめるようになりました。
私の鬱が,こんな形で同僚達に貢献したのは面白い結果です。